火災のあとの蓄電池
近くで火災があった、蓄電池が焼けた・熱を受けたときに、まずすることと、相談の前に控えておくものをまとめました。
節の終わりの小さな番号を押すと、ページの一番下の出典(元の資料)が開きます。
焼けた・熱を受けた蓄電池に近づかず触らないでください
被災した蓄電システムには、近づかず、手で触れないでください。使うのをやめ、電源を入れ直さないでください。ブレーカーが焦げ臭い・変な音がする・溶けているときは、操作しないでください。メーカーは、運転を止めてブレーカーを切り、販売店か施工店へ連絡するよう案内しています。煙・変なにおい・異音があるときは、近づかずに運転を止めます。そのまま使うと、火災の原因になります。1〜5
自分で安全に確かめられること
焼けた・熱を受けた蓄電池を利用者が点検する手順は、このページを作った時点で見つかっていません。次のことを知っておいてください。
熱を受けた電池が危ない理由
製品評価技術基盤機構(NITE)は、リチウムイオン電池の製品一般について、次のように説明しています。
- リチウムイオン電池の熱暴走は、発熱がさらに発熱を招き、温度を制御できなくなる現象です。
- 熱暴走のきっかけには、中の短絡や過充電のほか、ほかの物の発火による加熱があります。
専門の人が来るまで
家の中が水に浸かっているときは、水に入って分電盤を操作しないでください。近づかずにできることだけにしてください。
- 「触るな」などの張り紙で、人を近づけないようにします。
- できるなら、分電盤のブレーカーを落とします。
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相談の前に手元に控えておくもの
分かる範囲で構いません。控えておくと、状況をお伝えしやすくなります。
- 型番(型式)と製造番号
- 蓄電池ユニットとパワーコンディショナ(パワコン)のもの。
- 修理の依頼で伝える項目として、ニチコン・京セラが挙げています。
- 設置した日(引き渡しの日)
- おおよそで構いません。
- 保証の期間や、長期保証の申し込みの期限を、引き渡しの日から数えるメーカーがあります。
- リモコンやモニタの表示
- 英字と数字をそのまま(写真でも構いません)。
- 修理の依頼で伝える項目として、各社が挙げています。
- 写真
- 蓄電池ユニットとパワコンの全体、リモコンの表示。
- 水に浸かった・壊れた蓄電池には近づかず、離れて撮れる範囲だけにしてください。
- 焼け・すすの跡
- 蓄電池ユニット・パワコン・配線・リモコンの様子を、離れた場所から写真に。
- 罹災証明書
- 保険の請求の書類の例に挙がっています(消防署か市区町村が発行)。
- いつから・何のあとか
- 停電・雷・大雨・地震のあと、寒い朝から、など。
- 故障したときの時刻と天気も、ニチコン・京セラが伝える項目に挙げています。
- 保証書と長期保証の書類
- あれば手元に置いてください。
- 保証書が無いと、保証を受けられないことがあります(オムロン・シャープ)。
- 買った販売店・施工店
- 名前と連絡先。
- オムロン・ニチコンは、修理は買った販売店を通して頼むよう案内しています。
修理か交換かの目安
修理で直るか、交換がよいかは、型番・設置した年・症状をうかがってからご説明します。判断の手がかりになる、公開されている情報です。
リコール・無償点検(2026年9月24日時点)
型番が分かれば、対象かどうかをメーカーのお知らせと消費者庁のリコール情報サイトで確かめられます。
- 消費者庁は、リコールの対象の蓄電池ユニットと周りが焼けた火災を、重大製品事故として公表しています(2023年7月21日)。
- ニチコンは2026年9月24日、T3シリーズの一部の電池部の点検を告知しました。ごくまれに発煙、最悪の場合は発火のおそれがあります。
処分するとき
- 蓄電池ユニットを一般のごみとして捨てないでください。ごみ収集車や集積場で、発煙・発火の原因になります。
- ニチコンは、利用者や販売店が廃棄するのは違法としています。
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保証と保険の確かめ方
費用を保証や保険でまかなえるかは、契約の内容で決まります。確かめる先と、公開されている一般的な情報です。
メーカーの保証と火災
- メーカーの保証は、火災による故障を対象外とするのが基本です。
自然災害の補償の有無は、保証書で確かめてください。
- ニチコン
- 「災害補償制度」は、引き渡しから10年、火災などを補償します。
- 付かない機種もあります。
- パナソニック
- 「自然災害15年補償」は、火災などを補償します。
- 火災保険などで保険金が出るときは、そちらが優先です。
- 京セラ
- Enerezza の3シリーズに「自然災害保証」(10年)。
- 対象と除外は保証書で確かめます。
火災保険
蓄電池が契約で「建物」と「家財」のどちらに当たるかは、約款で確かめてください。
- 火災は、火災保険の補償の項目の例です。中身は商品で違います。
- 日本損害保険協会の記載例は、建物に定着した電気などの付属設備を「建物」に含めています。
- 地震による火災は、火災保険では補償されず、地震保険の対象です。
保険金の請求で気をつけること
- 保険金を請求する権利は、保険法により3年で時効になります。
- 「保険金を使えば自己負担なく修理できる」と勧誘する住宅修理の事業者に注意するよう、国民生活センターが呼びかけています。
- 保険金の請求は、加入者が自分で保険会社へ連絡して行います。
よくあるご質問
火が消えたら使ってもいいですか
使わないでください。運転を止めてブレーカーを切り、販売店か施工店へ連絡するよう、メーカーが案内しています。シャープは、止めたあとは蓄電池などに触らないよう案内しています。
焼けていないように見えても危ないですか
製品評価技術基盤機構(NITE)は、リチウムイオン電池は一般に、ほかの物の発火で熱せられても、熱暴走を起こすことがあるとしています。見た目で決めずに、触らずに連絡してください。
リコールの対象かどうかはどう調べますか
型番が分かれば、メーカーのお知らせと消費者庁のリコール情報サイトで確かめられます。
蓄電池の修理に火災保険は使えますか
原因と契約によります。火災は補償の項目の例ですが、故障(電気的・機械的な事故)による損害は、記載例では支払われない損害です。
焼けた蓄電池はごみに出せますか
出さないでください。ニチコンは利用者や販売店による廃棄を違法とし、長州産業は一般のごみとして捨てないよう案内しています。
出典(元の資料)
36件
節の終わりの番号と同じ番号で、公的機関・一般送配電事業者・業界団体・メーカーの元の資料を並べています。
- 日本電機工業会・電池工業会「震災によって被害を受けた場合の定置用蓄電システムの取り扱い上の留意点」(業界団体・確認日 2026年9月24日)
- シャープ「取扱説明書 太陽光発電システム・蓄電池システム(マルチエネルギーモニタ JH-RWL8)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 東京電力パワーグリッド「急に電気が消えたとき」(一般送配電事業者・確認日 2026年9月24日)
- 長州産業「取扱説明書(スマートPVエボ)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- ニチコン「トライブリッド蓄電システム パワーコンディショナ・蓄電池ユニット 取扱説明書(ESS-T3シリーズ)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「リチウムイオン電池搭載製品の発火事故事例」(公的機関・確認日 2026年9月24日)
- ニチコン「ユーザーサポート(家庭用蓄電システム)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 京セラ「Enerezza(エネレッツァ)取扱説明書」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- パナソニック「取扱・施工説明書 住宅用リチウムイオン蓄電池ユニット LJB2263(生産終了品)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 京セラ「よくある質問Q&A 蓄電システムEnerezza(エネレッツァ)の保証年数」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- シャープ「蓄電池システムでできること(保証)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 長州産業「取扱説明書(スマートPVマルチ)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 日本電機工業会・電池工業会「水害の際の蓄電システムの取扱いに関する注意点」(業界団体・確認日 2026年9月24日)
- 日本損害保険協会「損害保険Q&A 保険金の請求について」(業界団体・確認日 2026年9月24日)
- オムロン ソーシアルソリューションズ「長期保証規定(マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-Aシリーズ)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- シャープ「故障診断ナビ P-16エラーを表示している」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- オムロン ソーシアルソリューションズ「よくある質問 修理・交換を依頼したい」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- ニチコン「Q&A トライブリッド蓄電システム ESS-T3」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 消費者庁「消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について(リチウム蓄電池ほか)」(公的機関・確認日 2026年9月24日)
- ニチコン「トライブリッド蓄電システム(T3シリーズ)電池部の点検のお知らせ」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 長州産業「蓄電システム(製品情報)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- ニチコン「ニチコン製蓄電システムの廃棄に関するQ&A」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- オムロン ソーシアルソリューションズ「よくある質問 自然災害保証はありますか」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 長州産業「保証規定(住宅用)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- ニチコン「ニチコン家庭用蓄電システム 災害補償制度」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- ニチコン「Q&A 12kWh/11.1kWh 単機能蓄電システム U2L/U2M」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- ニチコン「Q&A 9.7kWh 単機能蓄電システム」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- パナソニック「パナソニックが選ばれる理由:信頼性(長期保証・容量保証・自然災害15年補償)」(メーカー・確認日 2026年9月24日)
- 日本損害保険協会「損害保険Q&A 問51 火災保険の種類と補償範囲」(業界団体・確認日 2026年9月24日)
- 日本損害保険協会「契約概要・注意喚起情報ガイドライン(火災保険の記載例)」(業界団体・確認日 2026年9月24日)
- 日本損害保険協会「保険金請求の時効とは?」(業界団体・確認日 2026年9月24日)
- 国民生活センター「『保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる』と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!」(公的機関・確認日 2026年9月24日)
- 国民生活センター「保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!」(公的機関・確認日 2026年9月24日)
- 消費者庁 リコール情報サイト「京セラブランド リチウムイオン蓄電システム(製造元:ニチコン)の点検」(公的機関・確認日 2026年9月24日)
- 消費者庁 リコール情報サイト「京セラ リチウムイオン蓄電システム:マルチDCリンクタイプの修理」(公的機関・確認日 2026年9月24日)
- 消費者庁 リコール情報サイト「オムロン ソーシアルソリューションズ リチウム蓄電池:蓄電池ユニットの修理」(公的機関・確認日 2026年9月24日)